Something Fine / Michiro's Jackson Browne Archives |
1967年発表の,ニッティ・グリティ・ダート・バンドのファーストアルバムです.彼らがここでジャクソン・ブラウンの曲を取り上げているのは知られていますが,他にも一曲目がスティーヴ・ヌーナンの曲だったりして,なんとなくこの頃のパラドックスの雰囲気というのを想像してしまいます.
このアルバムで聞けるジャクソン・ブラウン作品は2曲,どちらも明るく楽しい,屈託なさげな曲かな.ソロ名義で録音している曲とは明らかに作風が違いますが,これも彼の持っている一面にちがいありません.
10/11/1998 追加
1976年の,ウォーレン・ジヴォンのアサイラムへの移籍第一作です.彼の本来のデビューは1969年なのですが,その後の不遇時代が長く,本作は実質的な再デビュー作と目されています.すべてが自作曲で,リンダ・ロンスタットに取り上げられたいくつかの曲など,すでに知られていたものも.
ジャクソン・ブラウンはお互いのデビュー前からの友人で,このアルバムではプロデューサーとしてクレジットされ,いくつかの曲では演奏にも加わっています.アサイラムへの移籍自体にもブラウンの後押しがあったようです.録音にはアサイラム・レコーズのほかのアーティスト達も大勢参加して,実に豪華な顔ぶれとなっていますが,中身のほうはやっぱりこの人独自の男気の世界です.曲もいいけど個人的には,この人の歌いっぷりがいいんですよね.
ところでこの二人,初めて出会ったときは何やら大喧嘩をしでかしたらしい,なんてことをどこかで聞いた気がします.もちろん本当かどうかは知りませんが,確かにいかにも考えられそうなことではあります.
09/13/1998 追加
1979年にニューヨークのマジソン・スクエァ・ガーデンで5日にわたって行われた,同名のベネフィット・コンサートのライヴ録音.LPで発売されたあと長らく廃盤だった作品ですが,1997年に CD化されました.3LPが 2CDになっただけで,曲目に変更はありません.国内盤は,輸入盤のパッケージに日本語版ブックレットを添付した,やや変則的な形で発売されました.しかしこの CD,音がいい!!
このコンサートを主催した MUSE Inc. は,次の世代のために原子力発電所と核兵器の建造を阻止し,安全なエネルギー源の開発を支援する,という目的のもとに集まったミュージシャンらの組織です.中心となったのは,グレアム・ナッシュ,ジョン・ホール,ボニー・レイット,そしてジャクソン・ブラウンでした.
そして彼らの呼びかけに応じてステージに立ったのは,このイベントのために束の間の再結成をした C.S.&N.にブルース・スプリングスティーン,ジェイムズ・テイラー,チャカ・カーン,ドゥービー・ブラザーズ,レイ・パーカー・ジュニア,トム・ペティ,ライ・クーダー... といったミュージシャン達.いわゆる「政治的メッセージ」とは無縁と思えるアーティストが多数参加していることは,見落とされがちではあるけれど注目すべきポイントだと思います.ある意味でそれは,これが普通の人たちによる,やむにやまれぬ行動だったということを物語っています.
ジャクソン・ブラウンはこのアルバムでは,グレアム・ナッシュとデュエットで 'The Crow On The Cradle' を,ソロで 'Before The Deluge' を,ブルース・スプリングスティーンのステージで 'Stay' を歌っています.'The Crow On The Cradle' はトラディショナル・ソングで,彼自身のショウのアンコールでもよく演奏する曲. 'Before The Deluge' は,このイベント自体を象徴する曲のひとつ, 'Stay' は何というか,無理だろうけど死ぬまでに一度自分で見てみたい顔合わせです.
09/07/1998 更新
1981年の,親友リンドレーさんのソロ・デビュー作に,ジャクソン・ブラウンは手を貸しています.アルバム全体をプロデュースしたばかりでなく,タイトル曲ではウラ声を使って謎のコーラスをつけたりも.サウンド的にはリンドレーさんの音楽志向を反映して,あれこれ世界各地の音楽をいっぱいぶちまけて,それらを粘り強くポップに練り上げた感じの作品です.
原題の "El Rayo-X" は英語ならば The X-Ray に相当するスペイン語ですが,邦題はリンドレーさん本人指定の「化けもの」となりました.彼はこの日本語が大好きみたいで,ステージに向かって「化けものーっ」と叫ぶと,「ばきもーの」とかいってニコニコ喜んでくれます.本当いいひとですよねぇ.
型番書いてませんけど,この作品はすでに CD化されています.個人的にはこの作品を通じて,いろんな音楽に親しむようになった,とても感謝している作品です.
09/07/1998 追加
1991年に発表された,AIDSの子供たちのためのベネフィット・アルバム.20組の有名アーティストが,思い思いの曲をこのアルバムに提供しています.企画意図にそって,子供にも楽しめるものを,という選曲が多いようです.個人的にはスティーヴン・ビショップの「デイヴィー・クロケットのバラッド」が,サマーキャンプ感覚で好きですね.
ジャクソン・ブラウンはジェニファー・ウォーンズとデュエットで,ビートルズの 'Golden Slumbers'を録音.
09/06/1998 追加
国内盤: ヴァレリー・カーター「ザ・ウェイ・イット・イズ」 ポニー キャニオン PCCY-00888
1996年に発表された,ヴァレリー・カーターの,今のところ最新作.彼女が過去にサポートしてきた人達が本作では大挙して参加したため,ちょっと豪華な顔ぶれになっていますが,音作りはあくまでも彼女の声と歌を中心に据えた,好感の持てるものです.
まず感じるのは声の奇麗さなんですが,通して聴いてゆくうちに,伸び伸びと歌う彼女の主役を張るにふさわしい堂々とした歌いっぷりや,ヴァラエティに富んだ選曲を歌いこなす芸風の広さが印象に残ります.十分にうまいだけじゃなくて,最後の曲が終わった後に何となく良い余韻を残してくれるような,作品になりました.こういう歌が歌える人だからこそ,いろんなアーティストからサポートを求める声がかかるのでしょうね.
ジャクソン・ブラウンは,彼女とロウエル・ジョージとの3人で共作した "Love Needs A Heart" に,ハーモニー・ヴォーカルで参加.ブラウンの 1996年の "Looking East" ツァーの日本公演では,彼女が特別ゲストとしてステージに呼び出され,この曲のリード・ヴォーカルを歌ったのですが,聴いているとなんだかそのときの場面が目に浮かびます.
ところで録音場所としてクレジットされている "Groove Masters Studio" は,確かジャクソン・ブラウンのプライベート・スタジオでしたよね.レコーディングにはマーク・ゴールデンバーグ,マウリシオ・リワーク,ケヴィン・マコーミックといった面々がサポートしています.特にゴールデンバーグは演奏だけでなくプロデュース協力やアレンジ,曲作りにと活躍したようです.
10/24/1998 追加
国内盤: 「ロックンロール・ドクター ローウェル・ジョージ トリビュート・アルバム」 Kaigan Records KGCW-24
1997年発表.リトル・フィートのロウエル・ジョージへのトリビュート・アルバムです.日本のカイガン・レコーズ制作で,サザンの桑田さんも 'Long Distance Love' で参加.
この企画でジャクソン・ブラウンは 'I've Been The One' を歌っているのですが, 'Long Distance Love' を本当は歌いたかったのかもなぁ.僕は彼がこの曲をステージで歌うのを一度だけ見たことあります.
09/06/1998 追加
各作品のカタログ#は CDのものです.LPではありません.
特にアーティスト名のない作品は,Various Artistsによるものです.
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