特集the next voice you hear:

各国版が出揃ったところで，まだ迷ってるあなたのために新譜の情報を提供します．　

選曲

シングルカットされた作品を中心に，発表年の順に並んでいます．アメリカ盤の選曲ではほぼすべてのアルバムから，少なくとも一曲は必ず選ばれています．まぁ妥当な線とは思うけど，素直に2枚組にしておけばという気も．
89年の "World In Motion"から一曲も選ばれていないのは不思議です．

音質

かなり良くなっているようです．初期生産分の旧譜CDと比較すると，まず音の大きさが違うのに驚きます．ヴォリュームを絞って同じくらいの音量で聴いてみると，個々の音もクリアーでみずみずしさが増したように感じます．音質の善し悪しは聴く人の好みに左右されるけれど，これなら大多数の人に歓迎されるのではないでしょうか．

新曲

The Rebel Jesusと The Next Voice You Hearの2曲を収録．どちらも詞曲ともに Jackson Browne．

The Rebel Jesusは，初演はチーフタンズのアルバム "The Bells Of Dublin" (1991)．本作では新録音が収録された．バックには現在のツァー・バンドに加えデヴィッド・リンドレーが参加している．
一応クリスマス・ソングみたいだが，タイトルは「反逆者イエス」．実にこの人らしいです．

The Next Voice You Hearは未発表曲．ミュージシャンは The Rebel Jesusとほぼ同じだが，プロデュースは T Bone Burnettが担当．

生産国による違い

各国盤が出そろった今，それぞれの違いが明らかになっています．

アメリカ盤は以下の15曲:

アメリカ盤を基準に整理すると， という感じになります．Load Out/Stayについては，日本盤もドイツ盤も音源としては同じ "Running On Empty"からです．ただしドイツ盤については編集によって演奏時間が短くされており，オリジナルを聴きこんだ人なら違和感があるかも．

歌詞カードは，アメリカ盤・ドイツ盤・日本盤すべて同等のものがついてきます．そのほかに日本盤には，対訳と浜田省吾による紹介文（CDジャケット1ページ分)が付属．

オリジナル・バージョンとの違い

シングル・バージョンだったり録りなおしがあったりで，探すといくつか見つかります．まだ買ってない人のためにあえてここには詳しく書きませんが...

はたして「買い」か?

ジャクソン・ブラウンを聴くのは初めて，という人

これが全てじゃない，という留保付きですが，結構おすすめしたい．
以前からのファンからみると，「何で入っていない?!」といいたい曲は本当に数知れないのですが，実際のところそれがどの曲かは，人によって実にさまざまに違うんです．この選曲が彼の全てを表現しているわけではないけれど，いろいろな面をわりとバランス良くまとめているのは認めていいと思います．
このアルバムを聴いていくつか好きな曲が見つかったら，是非ほかの作品も聴いてみてほしい．他にも気に入る曲が絶対にあるはずなので．

アルバムはほとんど持ってるという人

個人的な感想になりますが，思ったよりずっと楽しめる作品でした．新曲は2曲だけだし選曲もだいぶ前から伝えられていたし，正直あまり期待してなかったのに．この人の曲を元のアルバムから切り離して聴くということ自体，意外なほどに新鮮なんですね．それにこの愚直なまでに年表通りの曲順も，なんだか自分自身の来し方を振り返らせるようで．
加えて音も良くなっているし，ファンならLPや初期プリントのCDを持っていても，改めて聴いてみて損はないと思います．
 

追記: 来日記念盤が出る! - Jan 11 1998

98年1月に，来日記念盤のリリースがあるらしい．内容は2枚組で，そのうちの一枚はこのベスト盤と同一内容といわれています．もう一枚は，以前オーストラリアでリリースされたライヴ音源とのことです．
今でも迷っている人は，これが出るまで待ってしまうというのも手かもしれませんよ．
来日記念盤については What's Newのページを参照してください．

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