ラングズ・ケイブ
今日の午後は洞窟見学.本来はムル観光のハイライトのはずなんだけど,すでに死ぬの生きるのという境地から開放されているため,とても気楽だ.雨具とカメラ程度の持ち物とともにボートで公園本部に向かい,そこからはジャングルの中を歩く.といっても途中はすべて木道の上を歩くだけで,高低差もなくて本当にフラットで歩きやすい.1時間ほどで洞窟のあるあたりに到着する.
最初に入った洞窟はラングズ・ケイブ.ここはライムストーンの白い造形が奇麗だ.普通の観光洞窟だと,もともと白いライムストーンも埃がついたり苔がはえたりして薄汚れた感じになるのだけど,ここのは本当に奇麗な色をしている.発見されてまもないこと,場所が場所だけに見学者もそう多くないことなど,好条件のおかげだろう.
鍾乳石は,文字どおり真っ白いミルク色だ.雰囲気的にふにふにした感触を想像する人もいるけど,実際に触ってみると全然ちがう.とても硬いんだ.材質からして石灰岩だし,なんというのか歳月そのものが凝り固まった物質だから,考えてみれば硬いはずだよね.
鍾乳洞の中は,とても涼しい.周りは硬いライムストーンだし,濡れてはいてもヌルヌルはしていない.もともと光のない世界だから,苔みたいなものは生えないんだ.生き物もいるんだけど,コウモリみたいに洞窟の外じゃ見られれないようなやつらだ.だからこの中を歩いていると,ちょっと無機質な,言葉どおりクールな世界だと感じる.たとえが変かもしれないけど,なんか月世界っぽい硬質な美しさがある.
奥に進むと天井も高くなり,かなり広々とした感じに.手すりの付いた順路を歩いていくので,とても安全だ.
だいたいさ,地底がこんなにうつろになってて,光も届かないそんなところにこんな真っ白なものがあるなんて,もう不思議すぎるよね.
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