ターゲットを絞ろう

サーチエンジン対策といっても、世の中にはさまざまなサーチエンジンがあります。効率的に対策を済ませるには、最初にターゲットを絞る必要があります。2002年現在で絶対外せないのは、日本語のコンテンツであれば Yahoo Japan と Google です。

何を狙えばよいか

大手ポータルサイトをはじめ、検索のサービスはさまざまな場所で提供されています。しかし最近の傾向として、以前のように各社が自前で検索のエンジン持つことは少なくなり、そのかわりに検索技術を専門とする会社と提携することにより、外部のエンジンを利用するようになってきています。大手ポータルと検索技術プロバイダの提携関係はこの文書の資料1でまとめているとおりですが、数社の検索技術プロバイダが、ほとんどの検索サービスにエンジンを提供しているのがわかります。

この現象は実はかなり最近のものです。おそらくはインターネット業界の不景気のために、金も技術力も必要とするサーチエンジンを、各社が独自に維持するのが難しくなっているのだと思われます。ただしサーチエンジン対策を考える場合、これはアプローチが単純になるために、ある意味で助かる現象ではあります。早い話、たとえば Google 検索の対象となったサイトは nifty や Excite でも同様にヒットするということなので。

ディレクトリ検索では Yahoo JAPAN

ここでもう一度、サーチエンジン対策の視点からさきの表に戻ってみましょう。まずはウェブディレクトリ(サイト検索)から検討すると、実はこの分野では何といっても Yahoo JAPAN に尽きます。Yahooディレクトリのデータベースは他社に提供されていませんが、Yahoo そのものが単体で、その他を圧倒するトラフィック規模を生み出しています。今のところ無料登録も受け付けているので、自分のサイトにジャストミートするカテゴリがあるなら、絶対に登録してもらうべきでしょう。ただし登録にあたっては編集者からの審査があり、最近はパスするのが難しいという声もあります。ビジネスのサイトであれば、「ビジネスエクスプレス」という有料の別ルートがあります(後述)。

ウェブディレクトリで Yahoo 以外となると、とたんに規模が小さくなります。掲載のための審査が有料である LookSmart をひとまず別とすると、あとは Lycos Japan のウェブディレクトリと、Google ディレクトリの元である ODP が、現在でも無料登録を受け付けています。

ページ検索では Google が必須

ページ検索で目立つのは Google です。自社サイト google.co.jp 以外にも多数のパートナーを得ている様子がわかります。とくに Yahoo との提携は重要です。Yahoo に該当するカテゴリやサイトが無い場合に Yahoo が、Google のデータベースを参照してサイトを紹介するからです。サイトにもよりますが Yahoo ディレクトリに Yahoo 経由の Google 検索と Google 単体をあわせると、サイトへの全トラフィックの 8割程度になるのが普通じゃないでしょうか。ここは無料登録を受け付けているので、何としてでも登録してもらう必要があります。

同じページ検索の分野では Inktomi も 2社(MSN、goo)と提携していますが、現在は無料登録を受け付けていないので別扱いとなるでしょう。ただしトラフィックの規模等々を考えると、もともと日本の市場では存在感は小さいと考えて差し支えないでしょう。確実に登録されたい場合は、有料の登録保証サービスもあります(詳しくは後述)。

むしろ注目は Google キラーと呼ばれはじめている WiseNut かもしれません。ディレクトリ型検索の大手である LookSmart が、この WiseNut を買収する意向だと報じられています。検索技術は設備産業という面があり、もし LookSmart からの資金を WiseNut が得られるならば、Google を追いかける上で大変面白い展開になる可能性があります。今のところ日本の大手ポータルでは Lycos Japan が WiseNut と提携しています。トラフィックの規模は微々たるものですが、ロボット検索エンジンへの登録申し込みは簡単なので、まとめて済ませておくのも良いかもしれません。

ビジネスなら有料登録も

登録のための審査を有料で行っているサーチエンジンもあります。すでに紹介した中ではウェブディレクトリの LookSmart、ロボット型検索の Inktomi がそれにあたります。また Yahoo は通常の無料登録のほかにビジネスエクスプレスという有料の別ルートがあります。

これらの他に、サイトの有料登録+オークションによる表示順位決定+広告料の出来高払いというスタイルの検索サービスが米国の広告業界で注目を集めています[参考: 米国の主要ポータルサイトの検索関連提携先]。米国の大手ポータルでは軒並みこれを取り入れています。日本でもこの先、注目される可能性は高いかもしれません。ただしこれはいろいろな意味で広告そのものなので、ビジネスでやっているサイト以外には基本的に関係なさそうです。

このあたりの事情は業者によってさまざまなので、まとめて別のページでとりあげます。

Links

日本の主要ポータルサイトの検索関連提携先一覧


Last Update:
Copyright 2002 © サーチエンジン対策研究会