Gunung Mulu National Park, Sarawak, Malaysia

- the way to Mulu -

ムルへの道

実はサバ州のコタ・キナバルという町には,成田発のマレーシア航空の直行便がある.だけど飛ぶのは毎週1往復というスケジュールなので,往路はこれを使わず首都のクアラルンプールを経由するルートを使った.ここで入国手続きをし,国内線に乗り換えて,ブルネイ国境ちかいサラワク州のミリという町に飛ぶ.

機内風景

そしてさらにここで別の飛行機に乗り換えて,ムルに入ったんだ.この別の飛行機ってのが良くて,ツイン・オターとよばれる17席・双発のプロペラ機.旅客機というかまぁコミューターだよね.名前は知ってたけど当然乗るのははじめてだ.見てのとおり,内部は左1列右2列と,とっても狭い.いまどきのジェット旅客機とちがい,こういうプロペラ機はおもむろに飛びあがると,どこまでも続く緑の熱帯雨林を見渡す高度で,のんびり飛んでゆく.

どこまでもつづくジャングル

降り立ったムルの空港にはガイドが待っていて,彼の乗ってきた車でまずはホテルに行き,荷物を預ける.あとでここには泊まるのだけど,とりあえず登山に必要なものだけを持って,まずはキャンプ地に向かうんだ.

ホテルには船着き場がある.ここでライフジャケットを着込んでロングボートに乗り込む.まぁディズニーランドのジャングルクルーズの超本格的なやつだと思ってもらっていいんだけど,ガイドの面白おかしい説明がないかわり,ここではすべてが生々しい.

川面の風がびゅうびゅう吹きさらされてとても涼しいくらいだし,見晴らしのいい場所にくると遠くの山まで見渡せる.川べりで遊んでいる子供たちは,手を振るとこっちを見て振りかえしてくれる.大きな木の下をボートが通り抜ける瞬間,最初は遠くに聞こえた無数のセミの鳴き声が,近づいてきてやがて前後左右から包みこむみたいな感じになるんだ.

ロングボートで川を下る

そんな感じで何時間か川を溯って,川の水が紅茶みたいな赤く透き通った色になったあたりで,ボートクルーズは終わる.昼飯をここでとったところで,8km近い道をトレッキング,今夜の宿泊地であるキャンプ5に向かう.

「キャンプまではフラットな道を歩く」ってな話だったのだけど,これが実際のところ結構キツかったな.まぁ東京から車やらジェット機やらプロペラ機やらボートやら延々乗り継いで休む間もなくこんなに歩きまくってるんだから,よく考えてみたら当然なんだけど.

おまけに相当歩き疲れた頃になって,急に雨が降り出した.熱帯の雨だ.道はほとんど川みたいになるし,空は真っ暗.当然写真どころじゃない.つらい目にあったと思いつつなんとかキャンプ5に到着.やれやれ.

ところが本当に辛い目にあうのはこの先だった.

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